逆子(骨盤位)の鍼灸治療

はじめに

妻が助産師(現在は長女も)だったため、妊産婦さんのお役に立ちたくて、整体師から鍼灸師になりました。
開院当初から常時来られている「逆子」のお悩み。
通常、帝王切開となるため、それは避けたいと、藁をも縋る思いで来院される方が多いです。

逆子とは

(赤ちゃんの頭が下向きになっている姿勢「頭位」に対して)
赤ちゃんの頭が下(子宮口)を向いていない、お尻または足を下にしている状態を骨盤位といい、これを逆子と言います。
羊水に浮かんでいる赤ちゃんは自由に動き回っていて、一番リラックスできる姿勢を取ります。
それがたまたま逆子になってしまうことがあります。
妊娠32週ごろまでに位置が定まり、頭位になることが多いので、それより前なら心配いりません。

原因

子宮の形態異常、胎盤異常、骨盤の幅(狭い?)、羊水過多(動き回りやすい?)、多胎妊娠、子宮筋腫、前置胎盤、低置胎盤、など挙げられますが、ほとんど原因不明です。
「冷え」を挙げるひともいますが、医師にはほとんどいません。
院長の30年近い臨床経験からも関係ないと断言しています。
「関節の硬さ」を挙げるひともいますが、弛めても逆子は直りません。妊婦さんの関節は緩いので、締めたほうが使いやすくなります。

逆子での問題は?

逆子でも妊娠中は赤ちゃんの成長や元気さに問題はありません。
出産の方法は基本的に帝王切開となります。
経腟分娩を希望していた場合、手術への抵抗感や恐怖感は出てくるでしょう。
逆子で経腟分娩をしようとすると、頭が引っかかったりなどすることによる死亡や重篤な合併症の割合が5%と、帝王切開での1.6%に比べて高くなります。

逆子の割合

妊娠39週を越えて逆子のままであるひとの割合は、全妊娠の5%程度です。
30週ごろ15%、34週ごろ10%、36週7%(この頃になると自然な回転は難しくなってきます)

逆子を直す方法

医師が行う「外回転術」
妊娠34~36週で。成功率約60%
お腹の上から赤ちゃんの位置を180度回転させます。保険がききますが、実施している施設はすくないです。
逆子体操
この体操によって直る確率は、しない場合と変わりません。
腰を痛めたりお腹が張ってしまうデメリットがあるので、推奨されていません。

当院では

伝統の研究と経験により培ってきた鍼灸整体の施術によって、毎年約9割の方が直ります。
整体で弛んだ関節を締めながら整え、骨格の建て付けを直し、独特のツボに鍼灸して逆子を直していきます。
お腹が張るようであれば施術を中止します(今までほとんどありませんでした)。
その場で、当日、翌朝に直っていることが多く、それは鍼灸によるものかもしれませんが、3回5回とかかることや、帝王切開当日まで施術して直ったことなどもあり、そうなると施術によるものか、自然に直ったのか、正直判別つけがたいです。

投稿者プロフィール

院長 宮本
院長 宮本